原研究室(旧)

原辰徳

講義 -> 工学系研究科精密工学専攻 サービス工学(2012年〜)

本講義のねらい

複写機が保守契約と消耗品とで利益を上げているように、製造業製品の多くはサービス化している。すなわち製造業は「サービスを製品に載せて販売している」と考えられる。このように、製品とサービスの融合化により高付加価値化を図る体系として、製品サービスシステム(Product/Service-System: PSS)がある。一方、サービス産業においても、サービス従事者の経験と勘に依る点が多かった事業構造を見直し、科学的・工学的技術の利用によって、生産性の向上(効率性の向上だけでなく、高付加価値化も含む)を図ろうとする動きがある。 いずれの場合であっても、利用者の視点に立って機能や経験を届けていくかというサービスのデザインが重要である。こうしたメッセージは一昔前からあるが、近年は様々な産業にてデジタル化が進み、互いがつながりはじめたことによって、共創との概念で語られつつある。 本講義では、具体的なサービス工学研究の紹介を交えながら、こうしたサービスに関する新たな潮流を読み解き、研究者・実務者いずれの道を歩む場合であっても今後求められるであろう“サービス・リテラシー”を習得することを目的とする。したがって、講義名に工学という名称がついているが、サービスマーケティングやサービス学など、人文社会学的あるいは学際的な内容を多分に含む。

スケジュール(2018年度)

  • 講義初日に配付したシラバスには、成績のつけ方、レポート課題、輪講課題などの情報が含まれています。ITS-LMSにアップしましたので、紛失した人はそちらからアクセスしてください。
日付内容
19/25 (火)サービスの起源、サービスの古典研究、サービスマーケティング、サービス研究の新潮流とサービス科学・工学、最新動向
210/2 (火)製造業におけるサービス工学:製品サービスシステムとは何か?
310/9 (火)サービスCADシステム:サービスの表現技法、評価技法、設計支援 - [英語版・部分的]
410/16 (火)観光におけるサービス工学:個人旅行に着目した価値共創
510/23 (火)接客業におけるサービス工学:おもてなしの科学と教育支援
610/30 (火) サービス・ドミナント・ロジックとサービス・エコシステム
711/20 (火)Transformative Service Research:ウェルビーイングと地域活性化
811/27 (火)サービス工学:サービス価値の評価と新たなサービス設計
(外部講師:産業技術研究所 人間拡張研究センター サービス価値拡張研究チーム 竹中 毅 様)
912/4 (火)デザイン思考とサービスデザイン
1012/11 (火)文献輪講(受講生による論文紹介)
1112/18 (火) 文献輪講(受講生による論文紹介)
121/8 (火)総合討論/これからのサービス観:超スマート社会, AI, Personal Data, Sharing Economy, Cyber-Physical System, Industrie 4.0, Smart Product etc.